ある医学書では…

胎盤で呼吸をしていた胎児は、出生を境にして肺で呼吸をする新生児へと変身する。
肺低形成とは「肺が小さい」ため、出生直後から呼吸ができない(十分なガス交換ができない)という、新生児における最重症の呼吸障害である。その典型例では有効な呼吸管理法はなく、気胸などのエアリーク(空気漏出)を起こし数時間以内に死亡する。手のほどこしようのない疾患である。

※この医学書が発行されたのはあっきぃーが誕生して2か月の頃。手にしたのはあっきぃーが2歳になってからなので「そんなふうに書いてあっても、あっきぃーは生きてるもんね」と思えたけど、発行当初にこの本に出合っていたらしばらく立ち直れなかったかも。

【成因、分類、病態生理】

胎児肺が正常に発育していくためには、十分な胸腔内容積、肺胞液、呼吸様運動が必要で、これらが発生の過程で何らかの要因により障害されることにより肺低形成が起こる。
肺低形成については下記のように大きく4つに分類される。

(このような基礎疾患がなく単独に発生する症例もあり、真の原因は不明である。←と解説されている医学書もある)

【分類】
1、胸腔外からの圧迫
腎尿路疾患による羊水過少(腎無形成、尿路閉塞性疾患など)、
その他の原因による羊水過少(長期破水など)、
横隔膜挙上(巨大腹部腫瘍、大量腹水、膜様横隔膜など)
2、胸郭自身による圧迫
致死性骨系統疾患(致死性異形成症、仮死性胸郭異栄養症、重症軟骨無形成症など)
3、胸郭内での圧迫
先天性横隔膜ヘルニア、大量胸水、高度心拡大、胸腔内巨大腫瘍・嚢腫など
4、呼吸様運動の障害
筋緊張性ジストロフィー、膜様横隔膜、巨大臍帯ヘルニア

肺低形成では肺胞数が少ないだけでなくその成熟も障害され、気管支や肺血管の形成、成熟障害も伴っており、肺胞換気と肺血流が同時に低下することにより、重症の呼吸不全を起こす。

【臨床症状】

出生直後より重症の呼吸窮迫を呈する。すなわち皮膚色不良、胸郭の動き不良、呼吸音低下、徐脈などがみられ、直ちに気管内挿管、100%酸素による高い圧での用手換気を要する。羊水過少を伴う場合は、子宮内での圧迫による徴候、すなわち特異な顔貌(つぶれた顔)、体幹・四肢の変形、たるんだ皮膚などがみられることもある。

【治療】

あっきぃーのケースですが「資料館 治療」をご参照下さい。←リンクは後程調整します。