赤ちゃんが小さかったり障害をもって生まれてきた時にも「おめでとう!」っていってあげて下さい。
これから先、つらいことがたくさん待っていたとしても「赤ちゃんがお父さんお母さんに会いに来てくれたすばらしい日」として喜んであげて下さい。

「ご出産おめでとうございます」のカードが出産後初の食事の時についてきました。
小梅は3年近くたった今でも大事にとってあります。
つらい時にはこのカードを見て、あっきぃーをはじめて抱っこした時の感動を思い出し、がんばろう!って思います。

産科の方へ

お母さんと赤ちゃんを助けて下さってありがとうございました!
今まで本当にお世話になりました。
もう少しお願いしていいですか?

赤ちゃんがNICUに行ってしまったお母さんの居場所を考えてあげて下さい。
妊婦さんや赤ちゃんが無事に生まれたお母さんとは別の部屋にしてあげてほしいのです。
他にも赤ちゃんがNICUに行ってしまったお母さんがいらっしゃるのなら一緒にしてあげて下さい。
それが無理なら婦人科や他の科の患者さんと一緒にしてあげて下さい。

授乳室でも気をつけてあげて下さい。
病室でカーテンをして搾乳しているお母さんもいるかもしれませんが、他の患者さんに気をつかって授乳室で搾乳しているお母さんもいると思います。

よその赤ちゃんが目の前でおっぱいを吸っているのを見るとつらくなるかもしれません。
そんな所でひとりで搾乳することほどつらいことはありません。
お忙しいでしょうが搾乳を手伝ってあげて下さい。NICUにいる赤ちゃんの話をしてあげて下さい。
お母さんの話をきいてあげて下さい。

なおたん出産の時、小梅のほかにもうひとり赤ちゃんがNICUに行ってしまったお母さんがいました。
お互いに持病を抱えながらの出産、赤ちゃんはNICUへ…搾乳しながらいろんなことを話していました。
仲間がいる・・・そう思うともっと頑張れました。

NICUの方へ

赤ちゃんから目が離せない状況の中、お仕事お疲れ様です。
お忙しいのはよくわかりますがお母さんにも気をかけてあげて下さい。
赤ちゃんがNICUにいる時期、心が許せるのはNICUの方しかいないかもしれません。
お母さんは自分の気持ちを誰にも話せずにいます。
時には夫にも話せず1人で耐えています。自分から打ち明けてくれないかもしれません。
ですがどうか話をたくさんきいてあげて下さい。お母さんのことも心配してあげて下さい。
「身体の調子は大丈夫?」
「面会に来るのも大変でしょう…来れない時には電話で様子を聞いてもらえたらいいですよ」とか。

あと「連絡ノート」があるといいでしょう。入院生活が長くなりやすいのでプライマリー(受持ち)制になっていることも多いでしょうが、勤務の関係でなかなか会えないこともあると思います。このノートがあれば、お父さんお母さんが知らない赤ちゃんの様子も知ることができるでしょうし、お父さんお母さんの気持ちが聞けるかもしれません。

ずっと一緒にいられない分、ずっと赤ちゃんのことを気にしていたりするのです。
赤ちゃんの様子を伝えてあげて下さい。
「点滴が1つ外れました」「おくちからミルクが飲めました」「洗面器のお風呂に入りました」
1つ1つ喜びをかみしめながら、搾乳も面会に通うことも頑張っていけるのです。

お父さんやお母さんが赤ちゃんに何かしてあげたいと思った時、できる範囲でそれを受け入れていただけないでしょうか。子供が苦しんでいる時に、何もしてあげられないということは、とてもつらいものです。もし、ほんの小さなことでも、やってあげられることができたのなら、少しは救われるかもしれません。
保育器にかけるカバーとかぬいぐるみとか写真とか…

ある病院には『NICU紹介アルバム』というのがあるそうです。これは、入院中の赤ちゃんの日常生活と共に、施設の紹介や治療風景等がわかりやすく整理されており「もう少ししたら、こんなふうにお風呂に入れるんだよ」というように、説明してあるものです。子供がどういう環境で育っていくのか…少しでも子供のことを知り、安心したいのです。こうした資料があれば、NICUに対する理解も深まり、スタッフとのコミュニケーションも図りやすくなるのではないでしょうか。
入院生活が長くなってくると「これから先、この子はどうなっていくんだろう」って思います。NICUを卒業した子供たちの様子がわかる体験記とかアルバムなどがあると、なんとなく目標ができて前向きになれるかもしれません。